iPod shuffle研究所

2019/07/27(土)

Roland RH-300は、モニターヘッドホンとして時々引き合いに出される製品だ。
定番のSONY MDR-CD900STと似たような感じだが、出音は若干鑑賞向きだという。
また、メーカーは「電子楽器向き」と言っているらしい。電子音特有の立ち上がりの早さに追随するのだとか。まあ個人的には電気信号になっている時点で電子楽器も生楽器も同じだろうという気はするが。

で、先日たまたま、ハードオフで状態の良さそうなRH-300が4000円(税抜)で出ていたので買ってみた。

MicroKORGにつないでしばらく使ってみて感想は、CD900STと比べてしまうが、既にいろいろと言われているのと同じだ。
すなわち

・音は普通にモニターヘッドホンとしてOKな音
・プラグがステレオミニ+標準アダプタ(CD900STはミニにできない)
・側圧は普通だが密閉度が高め(若干蒸れやすい)

という印象。

安かったので満足しているが、CD900STとRH300は同じ価格帯で、両方買う意味は別になく、好みで選んでいいレベルだと思う。

どちらか選ぶとなると、普通はネームバリューもあってCD900STを選んでしまうのではないか。
あるいはステレオミニが欲しければ、MDR-V6とかMDR-7506とか。
しかし、これらの代わりにRH300を選んでも全然問題は無いだろう。
まあ、そのくらい差は小さいということだ。

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2019/05/06(月)

連休中、ずっとMicroFreakをいじっていた。
そういう意味では、とても「遊べる」シンセだ。

エフェクタがついてマルチティンバー、つまりオールインワンでこのサイズだったら、ポータブルなガジェットシンセとして最強だっただろう。最近値上がりで批判の多いTeenage EngineeringのOP-1を喰っていたかもしれない。
が、まあ現時点ではそこまでのものではない。

出音について

率直に言って、音はそれほど良いとは思わない。コストの制約が大きいのだろうと思う。
ただ、この手のガジェットでありがちだが、ヘッドホン出力の音は良くないので、外部アンプを通して聴かないと実力を見損なう。

音質だけで言えば、スマホのシンセサイザーアプリ、たとえばKORG Gadgetシリーズのほうが良いだろう。
スマホのCPUはちょっと前のPC並みに強力だが、MicroFreakはたぶん、けっこう非力な汎用CPUでがんばって音を出しているのだと思う。FM音源も2OPだし。

4音ポリなので、4音重ねれば厚みが出る、場合もある。
基本的にソフトシンセなので、そのへんはちょっと弱い。
それだけにエフェクタは欲しい。miniKaosspad2をつないでみたが、リバーブやディレイがちょっとあるだけでも違う。

シンセサイザーとして

宣伝ほど変態的ではない。いろいろ詰め込んでいるのは確かだけれど、シンセサイザーとしては正統的で、狂気とか変態とかいうワードは広報戦略だろう。「安くて楽しいガジェットシンセ」じゃアピールしないし。

ただ、オシレータの種類が豊富だったり、マトリクスが柔軟だったり、というのは、ある意味おまけであって、こういうものを増やせば増やすほど、使える音と使えない音という観点では後者の比率が高まっていったりする。
「探検する楽しみ」みたいなものはあるけれど、逆に欲しい音が決まっていたらMicroFreakでは不満が出るだろう。


良い点は、1つだけとはいえ、アナログフィルタをつけたことだ。LPF、HPF、BPFが選択でき、自己発振する。音作りにしっかりした軸を加えている。
MicroFreakに独特の色彩が出せるとすれば、このフィルターの使い方だと思う。ある意味、オシレータはこのフィルターを活かす波形を作るという脇役でしかない。

また、サイクリングエンベロープはなかなか興味深い。エンベロープとLFOを兼ねた使い方が出来、モジュレーションソースとして使い出がある。


不満点と言えば、ノイズジェネレータが無いこと(なぜ?)、オシレータシンクやリングモジュレーションなども弱いこと。(オシレータシンクは、無いわけではないが…)

LFOも、もう少し高い周波数が出せれば音作りの幅が広がったはずだが、ここはCPUの能力的な問題があったのかもしれない。

ユーザーインタフェース

MicroFreakのボトムラインは、やはりノブでリアルタイムに操作ができ、キーボードも装備されていて、4音パラフォニック、というあたりだろう。
この点、このサイズ価格でよくまとめたと言えると思う。

操作系は結構時間をかけて練ったのだろう。
ArturiaはMicroBruteにしてもDrumBruteにしても、少ない操作子で分かりやすく使いやすいインタフェースを作るなあと思っていたが、このMicroFreakもよく出来ている。

一点だけひっかかるとすれば、プリセットボタンを回してしまったら編集中の音は消滅する、というところ。ユーティリティのbrowsingオプションから、Click to loadをオンにしておけば、プリセットボタンをうっかり回してしまうというミスからは逃れられる。

どのオシレータも3つのパラメータだけで操作する、というのは割り切りではあるが、考えてみればYAMAHAのReface CSもTEXTUREとMODの2つのパラメータで操作しているので、それほど極端なことをしているわけでもない。

他と比較して

マーケティング的には、同価格帯のMicroKORGと被らないような方向性を目指したのかなと思う。
どちらも4音ポリのバーチャルアナログシンセで、3万円台前半で入手できる。
(MicroFreakはパラフォニックだが、フィルタ以外は4音分装備されているので、それほど制約は感じない。)
MicroFreakは価格帯と機能のバランスでなかなかピンポイントなところを突いている。
ポリフォニックのシンセサイザーとしては、4万円を超えるとKORG minilogueやYAMAHA refaceシリーズなどが出てくるが、3万円台前半だと意外と対抗馬は少ない。
ほぼMicroKORG / MicroKORG XLだけではないかという気がする。
あとは、+5000円でnovation Circuitとか。

正直言って、音はMicroKORGのほうが圧倒的に良い。同じ音色で比較したらMicroFreakは勝てない。MicroKORGはディレイもついているし。
だが、音色編集という面ではMicroFreakが大きく優る。

MicroKORGはミニ鍵盤37鍵、MicroFreakはタッチ鍵盤25鍵。
演奏性はMicroKORGだが、場所を取らないコンパクトさでMicroFreakにも勝ち目はある。
両方持っているので比べてしまうが、サイズ感は大きく違う。

人に勧めるなら、無難なMicroKORGになってしまうが、自分でどちらか一方を選ぶとしたら迷うだろう。

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2019/05/06(月)

前回の続き。

MicroFreakは、キーボードのすぐ上にあるタッチパネルがある。
このタッチパネルはキーボードと同じ作りになっているようで、デザイン的にも黒鍵と一体化している。

このうち、右側の約半分はピッチベンドのためのタッチパネルが占めている。
このちょうど中央部分がピッチベンドのニュートラルになる。

また、このタッチパネルはその左隣の3つのアイコンで機能を選択することができる。
通常は右端のピッチベンドアイコンが選択されているが、スパイス(唐辛子のアイコン)とダイス(サイコロのアイコン)は、それぞれタッチするとそのパラメータの値をピッチベンドパネルで変更することができる。(スパイスとダイスの機能は後述)

その左はアルペジエイター/シーケンサー制御用のパネルだ。
これらのパネルは、モードがアルペジエイターかシーケンサーかで動作が異なる。
モードの切り替えは下の写真で中央上に見える「Arp | Seq」ボタンで行う。
このボタンだけを押せばアルペジエイターモード、Sfhitと一緒に押せばシーケンサーモードになる。ボタンはアルペジエイターモードでは白、シーケンサーモードでは青に点灯する。

また、その右にあるRate/Swingのノブで1音の長さとテンポを指定できる。このノブは押し込むとクリックになり、クリックするごとに長さ指定とテンポ指定が切り替わる。また、Shiftを押しながら回すことによってリズムをスイングさせる指定が行える。
左端はホールドボタン。MicroFreakはホールドペダルを接続することはできないが、このボタンでホールド状態のオンオフを制御できる。アルペジエイターを使うとき重宝する。
また、シーケンサーのステップ入力時は1ステップ進めるボタンになる。このとき、キーを押していなければ休符入力、押していればタイ入力になる。

ホールドボタンの右の4つはアルペジエイターモードの選択。4つのアルペジエイターモードのうちの1つを選択する。
MicroFreakのアルペジエイターはちょっと変わっていて、アップパターンはあるが、よくあるダウンパターンやアップ・ダウンパターンは無い。
4つのうち左端はアップモード。その右はキーを抑えた順に鳴らすオーダーモード。その右はランダムモードだ。


一番右端は「パターンモード」で、ベースの演奏などで重宝する。
ランダムモードでは、押されているキーの中から「常に」ランダムにどれか1つが選ばれるが、パターンモードではキーが押される都度、音がランダムに並んだフレーズが生成され、そのフレーズが繰り返し演奏される。
このとき、押されているキーのうちの最低音は出現確率が2倍になる。

例えば「ドレミ」と押さえたとき、フレーズの長さが8なら
「ドドレドミレドレ」「ドレドレドミドレ」「ドドドドミレミレ」
のように新しいフレーズがキーを押すたびに生成され、キーを離すまでそれが繰り返し演奏される。

フレーズの長さは、シーケンサーのシーケンスの長さと共通になっていて、ユーティリティボタンから「Preset」→「Seq Length」で指定できる。デフォルトは16ステップ、最大は64ステップだ。パターンモードの場合は、Rate指定とペアで、1小節分の長さにする(16ステップなら16分音符と組み合わせる)のが良いだろう。

生成されたフレーズは、「Shift + Seq.A」または「Shift + Seq.B」を押すことによってシーケンサー側のメモリへ転送できる。


シーケンサーモードでは、ボタンの割り当ては以下のようになっている。
1音色あたり、A/B二つのシーケンスを保存できる。REC、PLAY、STEPはあまり説明の必要も無いだろう。

RECだけを押せばステップ入力になり、キーを押して離すか、押しながらSTEPボタンを押せば1ステップ入力される。何もキーを押さなければ休符、キーを離さずにSTEPを押せばタイの入力になる。
ちなみに4音パラフォニックなので、キーを4つまで同時に押すことができる。
また、Rateノブを回すと、ステップを選択することができる。


PLAYボタンを押せばシーケンスが繰り返し再生される。PLAYオフの状態でも、キーを押せばそのキーに移調されてシーケンスが再生される。

PLAY状態でRECボタンを押すと、リアルタイム入力になる。
クリック音は無いので、ゼロからリアルタイム入力するというより、重ね録りで使う感じだ。
STEPボタンを押せば音符の消去もリアルタイムに行える。
シーケンス全体を消去するには、Seq.AまたはSeq.Bを長押し(1秒程度)だ。


リアルタイム入力はモーションシーケンス(MicroFreakでは「モジュレーショントラック」)を録音するのに便利だ。
リアルタイム入力の状態でノブを動かせば、その動きがシーケンサーに記録される。

もちろんステップ入力時にノブを動かして、ステップごとにモーションを記録することもできる。その場合、モーションシーケンスの数値をスムージングするかどうかはユーティリティメニューで指定できる。

モーションシーケンスは1トラック1パラメータで4トラックまで利用できる。
1つのシーケンスは、音程のシーケンス+音程以外のモジュレーションのシーケンス×4で合計5トラックで1セット、そしてシーケンス自体もモジュレーションソースの一種、と整理できる。

モジュレーショントラック単体の消去は、Arp|Seqボタンの右のOct|Modボタンで対象のトラックを選択し、Oct|Modボタンを押したままSTEPボタンを押す。


最後に、音符のゲートタイム、つまり音の長さについて。
(音色によっては、サスティンレベルが0になっていてゲートタイムが影響しない場合もあるので、ここではオルガンのようにキーを押している間、鳴り続ける音色を想定して欲しい。)

アルペジエイターやシーケンサーでのデフォルトのゲートタイムを変更するには、「ユーティリティ」ボタンから「Preset」→「Default Gate Length」で指定できる。範囲は5%~85%で、デフォルトは45%だ。

デフォルトのゲートタイムから変化をつける、いわゆる「ランダムクオンタイズ」のような機能を提供するのが、先にちょっと触れた「スパイス&ダイス」だ。

上の図に示したように、ダイスとスパイスはゲートタイムに対して値を加算する。加算値は正負あるので、マイナスつまりゲートタイムが短くなることもある。

加算値はノートごとにランダムに決まるが、その加算値の範囲はダイスの値で指定することができる。大きく指定すれば絶対値が大きなランダム値になる。

スパイスはシーケンス全体にかかり、ダイスで決めた値×スパイスの値(0.0~1.0)が実際にゲートタイムに加算される値となる。
スパイスの値を0にすれば何も加算されず、100%にすればダイスで得られたランダムな値がまるごと加算される。

なお、この作成したゲートタイム自体はシーケンスに保存することはできない。ライブで使ってくださいということだ。


おまけ。マニュアルのP99にチートシートが載っているので、以下に紹介しておく。
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