高級コンデジ市場に殴り込み?「PENTAX Q」

先日発表された、「PENTAX Q」。

コンデジのセンサとレンズ交換システムを
組み合わせた変り種だ。

どれだけ売れるかは未知数だが、なかなか
面白い戦略だと思う。

飽和しつつあるコンデジ市場の中で、
ペンタックスの存在感はほとんど無い。

そんな中、この「PENTAX Q」はペンタックス版高級コンデジ、となるだろう。

これなら「レンズ交換式」で他社の高級コンデジとは差別化できる。
安値競争の既存コンデジ市場とは別の客層をつかめるし、交換レンズを買ってもらえれば
「一粒で二度おいしい」売り上げも期待できるかもしれない。

カメラマニアからは「ハァ?」と言われそうなスペックだが、相当綿密に
マーケティングを考えた商品だと思う。

スペック面では、

・1/2.3インチ裏面照射CMOS
・レンズシャッター式
・ダストリムーバル機構
・RAW記録、カメラ内RAW現像
・マニュアルフォーカス可

というあたりが目を惹く。

「ナノ一眼」と銘打たれてはいるが、1/2.3インチではAPS-Cやフォーサーズの一眼とは
画質では勝負にならない。

開発した側も、それは百も承知だろう。
IXY 410Fのレビューで紹介したように、このセンサはサイズの割には感度も画質も良いが、
ボケなどはサイズだけで決まってしまう。

だが、レンズをがんばれば、多少なりとも普通のコンデジの上を行ける可能性はある。
コンデジはどれも4倍以上のズームレンズになっているから、単焦点レンズで勝負するのは
ありかもしれない。
シャッターや絞りが本体ではなくレンズに組み込まれるので、自由度はありそうだ。

逆にこれ以上大きなセンサにしてしまうと、フォーサーズ市場とぶつかってしまう。
小型化も難しくなり、高級コンデジとしては戦い辛くなる。
1/1.7か1/2.3の二択で、今後の性能向上を見込んで1/2.3を選んだのではないか。
1/1.7は単焦点レンズのGR DIGITALもあるから、あえてぶつかるのを避けたのかも。

焦点距離の表記は、一眼と異なり35mm換算がメインとなるようだ。
実焦点距離でレンズを扱うのが一眼カメラの特徴だと思うのだが、

実焦点距離8.5mm←→35mm判換算の焦点距離47mm相当、

では簡単な換算は難しそうだ。

ダストリムーバルやRAW現像など、一眼カメラの機能はそこそこ備えている。
デザインも、ややレトロカメラっぽいデザインで、品もあってなかなか良い。
サイズは幅10cm高さ6cm厚さ3cm程度で、CANON Powershot S95Nikon P300などの
高級コンデジと戦える。

最大のポイントは値付けになりそうだ。

1万円台はコンデジ、4万円以上はエントリ一眼、となると、最終的には
実売2.5〜3万円台の高級コンデジやネオ一眼と勝負するしかない。

店頭予想価格はレンズキットで7万円程度ということだが、実売4万円以下に
ならないと売れてこないだろう。

モデルチェンジしながらじわじわと下げていく戦略かもしれない。

いずれにせよ「メチャ小っさい、なんちゃって一眼」を楽しめる層を開拓
できるなら面白いと思う。

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