うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真(幡野広志)

写真についての本。面白かった。
前半はひたすら、精神論。上手い写真ではなくいい写真を撮ろう、そのための心構えと忘れるべきこと。
文章と同じで、写真は下手でもいい写真が大事。いい写真とは伝わる写真。だけど言葉がないと伝わらない。
カメラは好きなのを選べばいい。レビューとか気にしても仕方がない。他人と同じクルマやバッグを選ぶのか?という話。
うまいというのは、光を読む技術、適切な距離感、レンズの選択。
いい写真を撮るには、漫画や映画から学んだ方がいい。井上雄彦「バガボンド」必修。三谷幸喜「ザ・マジックアワー」観ましょう。
・・・等々。
「プロは誰もそんなことしないです」というフレーズが随所に出てくる。

前半にさんざん、機材やテクニックのことを気にするな、と強調したうえでようやく後半、技術論に入る。
レンズ、センサーサイズ、RAW撮影、etc.
ふーんと思った点をいくつか。

・レンズはセンササイズの対角線のものを基準にするといい。あるいはそれより若干短めに。
・RAWデータの保存とバックアップは必須だが、現状ベストの保存方法がない。RAID1おススメ。
・現像ソフトは普通の人にはLightroom Classicがいい。あとはCapture OneとかDXOとかあるけど。
・JPEGはありえない。RAWで撮って現像する。
・現像の調整は1.レンズ補正 2.トリミング 3.露出 4.ホワイトバランス 5.コントラスト 6.粒子 の順で。
・現像作業は1枚3分でやれ。
・縦横比は4:3か4:5がいいと思う。
・ヌルヌルの綺麗な映像は辛いので粒子を加える。ただし適用量もサイズも粗さもせいぜい30以内。
・写真と「説明の言葉」はセットである。

知っている内容も多いけど、あれ、そうなの?というのも時々ある。
むしろ、ある程度写真やカメラについて知っている人が読むと発見があるかもしれない。

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