なんだか最近、妙に「デジタルの音」が恋しくなって、KORGのElectribe2を中古で入手した。
デジタルの、というのはFM音源とかもそうだけど倍音がガッツリ入った、メタリックで冷たい、イメージで言えば昔のレイトレーシングのCGみたいな感じ。ドット絵じゃなくてね。
PCのソフト音源ならそういうものは手に入るが、DAWはもう、いじる気がしなくなってしまった。
価格は24000円だった。ちょっと前は新品がこのくらいの価格だったが、円安のためか、今は新品はだいぶ値上がりしてしまった。
Electribe2は90年代のElectribeシリーズの流れをくむグルーブボックスで、シンセ系とサンプラー系の2機種、カラーは旧機種のグレー系(Electribe2/Electribe2S)と現行機のブルー(シンセ:Electribe2-BL)/レッド(サンプラー:Electribe2S-R)があるが、今回入手したのはブルー。
旧機種が発売されたのは2014年なので、もう10年近く経つ、ある意味ロングセラーだ。

90年代にローランドが「MC-303」という製品を出して、これがヒットして「グルーブボックス」=シーケンサー+リズム+シンセ+簡易キーボード、というフォーマットが確立された。
KORGはこのジャンルにEA-1/ER-1という2機種で参入した。これが初代のElectribe。
その後、ES-1/EM-1の2機種が追加され、さらに「MkII」に進化した。
続いて、モデルチェンジした「EMX」「ESX」が発売され、これが現在のElectribe2の祖先になる。
EMXはDJ向けに人気が高かったようで、今でも中古が高値で取引されている。

Electribe2は、スペックとしては16トラックのシーケンサーを内蔵し、それぞれに異なる音色をアサイン可能。
同時発音数は最大24、ただし1トラックあたりは4音。また、エフェクトなどの利用状況で最大同時発音数は低下する。
音色はPCM波形を含むオシレータセクションの原音を、フィルターとエンベロープで加工して作る。モジュレーションソースとしてLFOがある他、ディレイ系のエフェクトを追加できる。
他にマスターエフェクトもあり、シーケンスにモーションを記録することも出来て、シーケンサーのトラックをMIDIの1~16chにアサインすることも可能。
特徴的なのは、PCを使わずに本体だけでスクラッチから音色を作ることができることで、Circuitとかはサンプルを入れ替えることができるがPCの助けを使うことが前提になっている。だが、electribe2は違う。
当時のグルーブボックスの対抗馬としては、Novation Circuitがあった。こちらも所有しているのだが、今回Electribe2を使ってみて、音やUIも含めて好みはElectribe2のほうだったなと(今更)気づいた。
Electribe2はプリセットパターンが200もあって、それだけでも結構楽しめるし、筐体も金属で実際に手にすると結構高級感がある。
そして多くの機能があり、これがテンキーレスキーボード程度のサイズに収まっていて、電池(単3×6)駆動も可能、となっている。機能、サイズ、電池駆動、オールインワンで完結できるものというと、他にteenage engineeringのOP-1(高い)とかあるけど、5万円程度の価格帯では実はなかなかレアな存在だ。
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