前回は現在入手できるMTRについて書いたが、やはり本格的に編集するにはPCでDAWソフトを使うほうが良い。
MTRは、思いついたその場で簡単に多重録音できることに意味がある。
小型で、電源を入れてすぐ録音ができる、ということならば、ICレコーダーでもいいのではないか?と思い始めた。
しかし、手持ちのICレコーダーにVolca Beatsを接続して録音してみると、MP3圧縮によるノイズがひどい。
以下のファイルはPCのLINE入力で録音したWAV形式(無圧縮)の音。
rec_09.wav
一方、次のファイルはICレコーダーのLINE入力に接続して録音した音だ。
最高音質のMP3(192Kbps)で録音したものをPCに移し、音量を上げてからWAVで保存しなおした。
rec_10.wav
圧縮に伴うシュワシュワというエフェクトが盛大にかかってしまっている。
これはかなり気持ちが悪い。
(MP3の音質はエンコーダーの性能に大きく依存するので、192Kbpsが駄目なのではなく、このICレコーダーのエンコード能力が音楽向きではないということだ。)
問題は圧縮していることだが、最近は無圧縮でPCMで録音できるICレコーダーも多い。
ソニーのICレコーダーの場合は、マイク入力端子がLINE入力にもなっていて(メニューで切り替える)、他の機器のLINEOUTからの録音もできる。
他に、面白そうなレコーダーとしてはVICTORのレッスンマスターシリーズがある。
これは音楽教室などでの利用を想定したレコーダーだ。
普通のICレコーダーは会議の記録などが主な使い方だが、このシリーズは演奏を録音してすぐ聴いて、という使い方にチューンされている。
ICレコーダーを音楽録音用として考えたときに、ちょっと残念なのは、サンプリングが44KHz/16bitを上限としているものが多いことだ。
上級機では24bitで録音できるものもあるが、数は限定されるし価格も高い。
発売されたばかりのSONYのフラグシップ機「ICD-SX2000」などは3万円もする。
1万円を超える価格帯になると、ICレコーダーではなくリニアPCMレコーダーとかフィールドレコーダーとか言われている機器も視野に入ってくる。
ICレコーダーは音楽向けとしては中途半端なので、より録音に特化したハンディレコーダーか、あるいはMTRのどちらかかなあ、とう結論になった。
DTMからの録音環境(2)ICレコーダー

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