Arturia MicroFreakを買ってみた(2)

前回の続き。
MicroFreakは、キーボードのすぐ上にあるタッチパネルがある。
このタッチパネルはキーボードと同じ作りになっているようで、デザイン的にも黒鍵と一体化している。

このうち、右側の約半分はピッチベンドのためのタッチパネルが占めている。
このちょうど中央部分がピッチベンドのニュートラルになる。

また、このタッチパネルはその左隣の3つのアイコンで機能を選択することができる。
通常は右端のピッチベンドアイコンが選択されているが、スパイス(唐辛子のアイコン)とダイス(サイコロのアイコン)は、それぞれタッチするとそのパラメータの値をピッチベンドパネルで変更することができる。(スパイスとダイスの機能は後述)

その左はアルペジエイター/シーケンサー制御用のパネルだ。
これらのパネルは、モードがアルペジエイターかシーケンサーかで動作が異なる。
モードの切り替えは下の写真で中央上に見える「Arp | Seq」ボタンで行う。
このボタンだけを押せばアルペジエイターモード、Sfhitと一緒に押せばシーケンサーモードになる。ボタンはアルペジエイターモードでは白、シーケンサーモードでは青に点灯する。
また、その右にあるRate/Swingのノブで1音の長さとテンポを指定できる。このノブは押し込むとクリックになり、クリックするごとに長さ指定とテンポ指定が切り替わる。また、Shiftを押しながら回すことによってリズムをスイングさせる指定が行える。

左端はホールドボタン。MicroFreakはホールドペダルを接続することはできないが、このボタンでホールド状態のオンオフを制御できる。アルペジエイターを使うとき重宝する。
また、シーケンサーのステップ入力時は1ステップ進めるボタンになる。このとき、キーを押していなければ休符入力、押していればタイ入力になる。
ホールドボタンの右の4つはアルペジエイターモードの選択。4つのアルペジエイターモードのうちの1つを選択する。
MicroFreakのアルペジエイターはちょっと変わっていて、アップパターンはあるが、よくあるダウンパターンやアップ・ダウンパターンは無い。
4つのうち左端はアップモード。その右はキーを抑えた順に鳴らすオーダーモード。その右はランダムモードだ。
一番右端は「パターンモード」で、ベースの演奏などで重宝する。
ランダムモードでは、押されているキーの中から「常に」ランダムにどれか1つが選ばれるが、パターンモードではキーが押される都度、音がランダムに並んだフレーズが生成され、そのフレーズが繰り返し演奏される。
このとき、押されているキーのうちの最低音は出現確率が2倍になる。
例えば「ドレミ」と押さえたとき、フレーズの長さが8なら
「ドドレドミレドレ」「ドレドレドミドレ」「ドドドドミレミレ」
のように新しいフレーズがキーを押すたびに生成され、キーを離すまでそれが繰り返し演奏される。
フレーズの長さは、シーケンサーのシーケンスの長さと共通になっていて、ユーティリティボタンから「Preset」→「Seq Length」で指定できる。デフォルトは16ステップ、最大は64ステップだ。パターンモードの場合は、Rate指定とペアで、1小節分の長さにする(16ステップなら16分音符と組み合わせる)のが良いだろう。
生成されたフレーズは、「Shift + Seq.A」または「Shift + Seq.B」を押すことによってシーケンサー側のメモリへ転送できる。
シーケンサーモードでは、ボタンの割り当ては以下のようになっている。

1音色あたり、A/B二つのシーケンスを保存できる。REC、PLAY、STEPはあまり説明の必要も無いだろう。
RECだけを押せばステップ入力になり、キーを押して離すか、押しながらSTEPボタンを押せば1ステップ入力される。何もキーを押さなければ休符、キーを離さずにSTEPを押せばタイの入力になる。
ちなみに4音パラフォニックなので、キーを4つまで同時に押すことができる。
また、Rateノブを回すと、ステップを選択することができる。
PLAYボタンを押せばシーケンスが繰り返し再生される。PLAYオフの状態でも、キーを押せばそのキーに移調されてシーケンスが再生される。
PLAY状態でRECボタンを押すと、リアルタイム入力になる。
クリック音は無いので、ゼロからリアルタイム入力するというより、重ね録りで使う感じだ。
STEPボタンを押せば音符の消去もリアルタイムに行える。
シーケンス全体を消去するには、Seq.AまたはSeq.Bを長押し(1秒程度)だ。
リアルタイム入力はモーションシーケンス(MicroFreakでは「モジュレーショントラック」)を録音するのに便利だ。
リアルタイム入力の状態でノブを動かせば、その動きがシーケンサーに記録される。
もちろんステップ入力時にノブを動かして、ステップごとにモーションを記録することもできる。その場合、モーションシーケンスの数値をスムージングするかどうかはユーティリティメニューで指定できる。
モーションシーケンスは1トラック1パラメータで4トラックまで利用できる。
1つのシーケンスは、音程のシーケンス+音程以外のモジュレーションのシーケンス×4で合計5トラックで1セット、そしてシーケンス自体もモジュレーションソースの一種、と整理できる。
モジュレーショントラック単体の消去は、Arp|Seqボタンの右のOct|Modボタンで対象のトラックを選択し、Oct|Modボタンを押したままSTEPボタンを押す。

最後に、音符のゲートタイム、つまり音の長さについて。
(音色によっては、サスティンレベルが0になっていてゲートタイムが影響しない場合もあるので、ここではオルガンのようにキーを押している間、鳴り続ける音色を想定して欲しい。)
アルペジエイターやシーケンサーでのデフォルトのゲートタイムを変更するには、「ユーティリティ」ボタンから「Preset」→「Default Gate Length」で指定できる。範囲は5%~85%で、デフォルトは45%だ。
デフォルトのゲートタイムから変化をつける、いわゆる「ランダムクオンタイズ」のような機能を提供するのが、先にちょっと触れた「スパイス&ダイス」だ。

上の図に示したように、ダイスとスパイスはゲートタイムに対して値を加算する。加算値は正負あるので、マイナスつまりゲートタイムが短くなることもある。
加算値はノートごとにランダムに決まるが、その加算値の範囲はダイスの値で指定することができる。大きく指定すれば絶対値が大きなランダム値になる。
スパイスはシーケンス全体にかかり、ダイスで決めた値×スパイスの値(0.0~1.0)が実際にゲートタイムに加算される値となる。
スパイスの値を0にすれば何も加算されず、100%にすればダイスで得られたランダムな値がまるごと加算される。
なお、この作成したゲートタイム自体はシーケンスに保存することはできない。ライブで使ってくださいということだ。
おまけ。マニュアルのP99にチートシートが載っているので、以下に紹介しておく。

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