Behringer Model-Dは、Behringer製のMinimoog Model Dのクローンで、moogならぬ「boog」などと呼ばれているらしい。
発売は(日本では)去年の11月で、まだ1年も経っていない(日本では…)のだが、「MODEL Dスタートアップキャンペーン」なるものが始まって、定価が25%下がった(税抜き39,800円→29,800円)。
このキャンペーン自体は、今月20日から来年1月15日まで続くのだが、来月からは消費税が上がる。
2%だから600円分。
どうせ買う可能性が高いような気がしたので、思い切ってサウンドハウスで買ってしまった。
サウンドハウスは10%ポイント還元だったので、実質的には29000円切り、というところ。
サウンドハウスのポイントは有効期限が1ヶ月しかないのだが、ちょうど子供がProToolsアカデミック版を買わなければいけなくなっていたので、即消費した。
というわけでまずは試用してみた。
USBとMIDIはもちろんデジタルだが、それ以外はアナログ。LEDすらPOWER表示用の1個しかない。
シーケンサーは内蔵されていないので、MIDIキーボードを接続する。
ヘッドホン端子やオーディオ出力はミニプラグだ。
まずヘッドホン端子近くのチューニングスイッチをONにすると、440Hzの音が出るので、これをガイドに本体左端のTUNEノブでチューニングする。
Volcaとかだと自動チューニングだけれど、このシンセにはそういう便利なものは無い。
ウォームアップ時間は15分以上を推奨とのこと。
音源は3VCO+LP/HPフィルタ+2エンベロープ(フィルタ、アンプ)という構成。
マニュアルを見ないでも大体は使えるが、他のシンセから移ってきた立場として若干迷ったのは以下の3点。
(1)エンベロープがADS(リリースがない)
普通に弾くと、一旦キーを離して次のキーを弾かなければエンベロープがリトリガーされない。しかし、キーを離すとそこで音が切れてしまう。
これは、エンベロープの左側にある白いスイッチをONにすると、キーを離しても音が途切れなくなる。
あるいは、キーを離さなくてもキーを弾く都度エンベロープをリトリガーするように設定変更することもできる。
これは、電源投入直後、5秒以内にチューニングスイッチをON→OFFする。
LEDが2回点滅したら設定成功。
(2)フィルタのキーボードトラックのスイッチが2つある
上述の2つの白いスイッチの上の2つの青いスイッチがそれ。1、2とナンバリングされている。
両方オンにすると、カットオフ周波数がキーボードに完全に追随する。
(ちなみにフィルタは自己発振するので、この状態でカットオフ周波数をチューニングすれば自己発振音での演奏ができる。)
両方オフならもちろんキーボードトラックは無し。
スイッチ1だけオンにすると、1/3だけトラックする。
スイッチ2だけオンにすると、2/3だけトラックする。
というとピンとこないかもしれないが、要するに
スイッチ1だけオン→半音3つ分上のキーで、半音1つ分上がる
スイッチ2だけオン→半音3つ分上のキーで、半音2つ分上がる
スイッチ1、2オン→半音3つ分上のキーで、半音3つ分上がる
となる。
(3)モジュレーションが意外と複雑
モジュレーション(CONTROLLERS)は、ソースとして
・ノイズとLFOのいずれか
・OSC3とフィルターエンベロープのいずれか
が使える。いずれかの選択は横向きのスイッチで行う。
結果、2つのモジュレーションソースが選択され、これらをMODMIXノブでミックスした結果がモジュレーション信号になる。
信号強度はMOD DEPTHノブで設定する。
なおOSC3をモジュレーションソースに使う場合は、ピッチダイヤルをLOにしておくとLFOレンジの周波数になる。
OSC3の周波数がキーによって変動しないようにするには、OSC3 CONTROLをオフにする。
LFOは矩形波と三角波しか選べないが、OSC3はいろいろな波形が選択できるし、LFOとミックスすることもできる。
で、数時間いじった感想だが、単純にいい音だなと思った。
特にローパスフィルターを絞った状態での密度感みたいなものが良い。
私は実はmoogにそれほど思い入れがあったわけではなかったのだが、moogどうこうよりも、モノシンセとしてこの価格なら文句は無い。
今、手元にはArturia MicroBruteやWaldorf Rocket、DSI Mopho Keysなどのモノシンセがあるが、個人的な好みとしてはMophoがトップでその次がModel-Dになりそうだ。
というわけで、興味が少しでもあるなら入手して損はないと思う。
この値段なら、Volcaを2台買うよりお徳ではないかと。
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