引き続き、第四世代iPod Touchのカメラについてレビュー。
第四世代iPod Touchのカメラのスペックは、あまり公開されていない。
なので、いろいろいじってみて、スペックを推定してみた。
●レンズ
まずは簡単なところから。
撮影した画像のEXIFによると、
F値: 2.4
焦点距離: 3.85mm
となっている。
このF値と焦点距離は、iPhone4と同じスペックだ。
もしかすると、レンズはiPhone4のものを使いまわしかもしれない。
ただ…
昨日紹介した記事によれば、iPod Touchのカメラモジュールの高さは3.3mm。
これがレンズ込みのサイズだとすれば、焦点距離3.85mmは実現不可能だ。
EXIFか、記事のモジュールサイズの記述か、どちらかが間違っていることになる。
ちなみに、インカメラで撮っても、やはりF2.4、3.85mmと出てくるので、
私としてはEXIFの値にちょっと疑いを持っている。
●センサ
iPod Touchで撮影した写真を見ると、画角はけっこう狭い。
35mm換算で40mm〜50mmくらいの感じだ。
ちなみにiPhone4の画角は32mm程度らしい。
仮にEXIFの値を信用して、iPhone4と同じレンズだとすると、
センササイズはiPhone4の 1/3.2型より小さいはず。
探してみると、CMOSセンサ最大手のOmniVisionが、こんな感じのセンサを
今年の1月に発表していた。
HD動画を30フレーム/秒で撮影できる1/6.5型の裏面照射型CMOSイメージ・センサー,米OmniVisionが製品化
このov9726というセンサーは、1/6.5型の裏面照射型CMOSセンサで、画素数は1280×800。
記事には、
「OV9726を使えばカメラ・モジュールの高さを3.5mmに低背化できる」
「既に,主要な顧客から,OV9726の採用を獲得したとする。
量産は2010年第1四半期中に開始する。」
とある。
スペック的にも符合するし、「主要な顧客」がAppleと考えると辻褄が合う。
というわけで、iPod Touchのカメラはov9726かなあ…と妄想。
ただし、センサが1/6.5型でレンズがiPhone4と同じだと、画角は
60mm相当くらいになってしまうはず。
感覚的には、もう少し広い画角のような気がするのだが…。
やはりEXIFの情報が間違っているような気がする。
●ズーム
センサのスペックは低いiPod Touchのカメラだが、おそらくiPhone4譲りの
ソフトウェアはよくできている。
オートフォーカスは無いが、画面タッチで露出補正とズームが可能になっている。
画面をタッチすると、こんな感じにズームバーと焦点領域が表示される。
ズームは当然ながらデジタルズーム。
広角端とズーム端の画像を比べてみたが、ズーム比はiPhone4と同じ5倍のようだ。
(左)広角端 (右)望遠端
まあ、デジタルズームなので5倍のときの画質は相当下がるし、手ぶれ補正もないので、
ズームはオマケと考えたほうが良いだろう。
●露出関係
撮影中に画面をタッチすると、タッチした領域の明るさに合わせて、自動で露出補正が行われる。
つまり、撮りたいものをタッチすれば、それが最適に写るように自動的に露出を調整する。
F値は2.4で固定で、露出はシャッタースピードとISO値で制御するようだ。
何枚か撮影した結果では、ISOとシャッタースピードの上限下限は以下の通り。
ISO感度: 100〜1250(インカメラは1600)
シャッタースピード: 1/15秒〜1/3885秒
焦点距離40mmで手ぶれ補正なしだと、1/15秒ではまず確実にブレる。
裏面照射センサのおかげか、暗所性能は悪くないが、室内撮りはやや辛い。
●ホワイトバランス
自動だが、そこそこ賢い。
太陽光、白熱電球、蛍光灯で撮影してみたが、大きな破綻は無かった。
と、こんなところでカメラスペック編は終わり。
最後に、今回推定したスペックをまとめておく。
次回は動画撮影について、ちょっと書く予定。
F値 | 2.4(固定) |
焦点距離 | 3.85 mm? |
撮像素子 | 1/6.5型 100万画素 裏面照射型CMOSセンサー(推定) |
ズーム | デジタルズーム(最大5倍) |
ISO感度 | 自動(100〜1250)(推定) |
シャッタースピード | 自動(1/15秒〜1/3885秒)(推定) |
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