すんドめ(岡田 和人) (全8巻完結)

さえない男子高校生4人と女子2人、UFOや心霊現象を追っかける部活動を舞台にした、
エロっぽいラブコメ? と思いきや…

この作品、絵はそれほど上手いとは思わないけれど、
なにより物語が哀しく、美しく、優しい。

設定も、登場人物の行動も、いやそれって無理あるんじゃ、という
現実離れ感はあるのだが、この物語にとっては表層的なことに過ぎない。

エロスは生きる力、そしてそれは死といつも隣り合わせ。
大切な人と生きたい、結ばれたら死んでもいい、その狭間での寸留め。
文学が扱うようなテーマを、ラブコメっぽい表層でくるむ。

もちろん、そんな重いテーマ、包みきれるわけもないが、
クスッと笑わせる程度のエピソードは随所に挟みつつ。

読む側も、ああこれは避けられない結末だな、と予想する通りの
終章へ至る。

エピローグで主人公の数年後のシーン、押しに弱そうな笑顔は変わらないけど、
でもちゃんと体験を踏み越えて成長したことを伺わせる。
このラストも良い。

久しぶりに読んだ、泣ける漫画。
オススメ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました