ロスレス圧縮ファイル形式:FLACかALACか?

先週あたりから、CDをPCに取り込む作業を続けている。
PCオーディオ環境がそれなりに整ったので、音楽データは全面的にサーバ上に移行することにしたのだ。
家族が利用するCDは対象外として、自分しか聴かないCDはロスレスリッピングして、CDは箱に入れて収納してしまう。
対象のCDの枚数は数えていないのだが、おそらく300枚程度だろうか。
それほど多いわけではないが、取り込んだCDはカバーアートもなるべく付けるようにしているので、自動で検索できなかったカバーアートをネットで探したり、それでも見つからない場合は自分でイメージスキャナで取り込んだり、ということもやっているので、それなりに手間がかかる。
平日はせいぜい10枚程度しか作業できないので、結構日数はかかるが、今大体三分の二くらいが終わった。
写真中央は、サーバになる予定の先日購入したアイオーデータのHDLP-S500だ。
500GBだが、CDを可逆圧縮すれば、軽く1,000枚は格納できるだろう。
取り込みにあたって、悩んだのがファイルフォーマットだ。
ロスレス、かつタグが付けられること、というのが絶対条件だが、そうすると自ずとFLACかALACということになる。
他には、AIFFが無圧縮で、かつタグが付けられる。
これだけHDDが安くなっていると、無圧縮でもファイルサイズ上のデメリットは無い。
だが、AIFFは日本語の扱いで失敗する場合もあるらしいので、候補から外した。
ちなみに世の中には可逆圧縮よりも無圧縮の方が音が良い、などと言う人もいるらしいが、原理的に違いが出るわけがない。
もし無圧縮と可逆圧縮を聴き分けられるとしたら、よっぽどPCが非力なのである。
下記のリンクには、様々なファイル形式の比較がある。
Lossless comparison – Hydrogenaudio Knowledgebase
主要なポイントだけ抜き出すとこんな感じだ。

FLAC WavPack Monkey’s ALAC WMA
圧縮率 57.0% 57.1% 55.1% 57.8% 58.4%
圧縮の選択肢 × ×
タグ付け Vorbis ID3/APE ID3/APE iTunes ASF
サポートするハード
サポートするソフト
オープンソース yes yes yes yes no

オーディオ用としては、ハードでどれだけサポートされているかが重要なので、FLACかALACを選ぶのが無難だろう。
ALACとFLACでは、ファイルに埋め込めるタグなどは、どちらも似たようなものだが、オーディオ界ではFLAC形式ファイルのほうが普及は優勢のようだ。
これは、ネット対応のオーディオ機器がALACに対応していないものがほとんどだったためで、つい最近まで、オーディオ機器で聴こうとするとFLAC一択だったらしい。
しかし、このところ、新製品ではALAC対応のものも増えてきたようだ。
私の場合は、逆にiPod/iPadなどiOS機器が身の回りに多く、これらはFLACに対応していないので、ALACのほうがどちらかといえば便利だ。
将来的には、AppleTVも購入するかもしれないとも思っているし…。
ALACとFLACのフォーマット変換ツールも出回っているので、あとで困るということは無いのだが、できれば変換はやらずに済ませられるほうがよい。
PCで聴く場合は、どちらが有利ということはないのだが、CDからALACで取り込めるソフトはiTunes以外では少ない。
iTunesで十分という考え方もあるが、iTunesはCDのセキュアリッピングの機能がない。
セキュアリッピングとは、CDのデータをできるだけ正確に読み取る機能だ。
実は音楽CDというのは、実際にはデータを読み取る際に結構な頻度でエラーになる。
古いCD、傷が多いCDでは日常茶飯事だ。
エラー訂正符号で復元できなかった場合には「適当に補間して」音を出すので、ノイズになるのはよほどひどい場合だが、データが欠落していることには代わりない。
CDドライブを制御して、できるだけデータ欠損を少なくする読み取りがセキュアリッピングで、EAC(Exact Audio Copy)などのツールが有名だ。
有料のソフトになるが、先日紹介したJRiver MediaCenterもセキュアリッピングとALACに対応している。
自分としてはJRiverは気に入っているツールなので、今回はこれをメインに使うことにした。
別の方法としては、パイオニアのドライブが持つ「PureRead」機能を使う手もある。
PureReadはセキュアリッピング相当の機能をドライブ側に持たせたものだ。
エラーが出たときに、再読み込みをドライブ側の処理で行ってくれる。
iTunesでリッピングするなら、PureRead対応ドライブを使えばセキュアリッピング相当になると言えるだろう。


JRiver MediaCenterを使う場合、デメリットは、iTunesで使っているCDデータベース「GraceNote」が使えないことだ。
JRiverが使っているYADBでも、メジャーなCDは大抵大丈夫だが、GraceNoteほどの網羅性は無く、また日本語がローマ字で入力されていたり、データが間違っていたりする場合もあった。
今回はiTunesも同時に起動して、JRiverとiTunesの両方でメタデータを確認し、問題がある場合はiTunesからメタデータをコピペするようにした。
やはりタグよりもセキュアリッピングのほうが重要だ。
タグは後から修正できるが、リッピングの失敗は回復できない。
それ以外では、ALACエンコーダの安定性がやや心配だ。
ほとんどは大丈夫だが、今までに1曲だけ、FLACでは取り込めるのにALACで取り込むとJRiver MediaCenterが落ちる、という曲があった。
FLACで取り込んだものをALACに変換しようとしても落ちるので、ALACエンコーダの問題だと思う。
取り込み済みのCDは「CDいれと庫」に収納している。
「CDいれと庫」はナカバヤシの収納ボックスよりも少し高いが、蓋の取っ手がしっかりしているのでオススメだ。
規格外サイズのCDも少しあるが、それらは高さに余裕のある「DVDいれと庫」に収納した。

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