オーディオシステムの周波数特性を補正するには

昨日はオーディオシステムの周波数特性を測定する話を書いたが、測定結果に応じたイコライザ設定まで自動でできれば便利だ。
そんなツールの一つがCONEQだ。
効果を体験できる無料のデモ版が下記で配布されている。
Real Sound Lab
CONEQでは、スイープ信号を再生しているスピーカーの前面をスキャンするような感じでマイクを30秒ほど動かす。
そのあと、ツールがスキャン結果から周波数特性を算出する。
以前購入したロジクールのZ120BWで試したら、測定結果はこんな感じになった。

・高域が妙に持ち上がっている
・1.6KHzあたりが落ち込んでいる
・100Hz以下はほぼ出ない
という状態であることが見て取れる。
で、この特性を上下逆にしたような特性のフィルタをかければ、イコライジングした音が得られるわけだ。
このデモでは、指定した音声ファイルを再生しながらイコライジング効果のオンオフを試すことができる。
イコライジングなので、もともと出ていない低域の音が出るわけではないが…。

Z120BWで試しても、音が変化したことは分かるものの、さすがに音が良くなったかどうかというと微妙な感じだった。
まあ、本来スピーカーの特性を補正すると言うより、部屋自体の特性を補正するためのツールなのだろう。
他には、国産のシェアウェアで、ちょっと古いがFrieve Audioというツールが同様の機能を備えている。
Frieve Audio
音楽プレイヤーソフトと一体になっており、シェアウェア版のFrieve Audio M-Classは、周波数特性と位相遅れの補正を自動で行ってくれるようだ。
プレイヤー部分は曲の選択と再生に特化したつくりになっており、カバーアートを表示したりはできない。
また、Linux上で動作するツールとしてはDRCがある。
DRC: Digital Room Correction
これはLinux用ということもあってちょっと敷居が高いが、Linuxでのオーディオについては下記のサイトで詳しく解説されている。
天の川オーディオ研究室 | Linuxと自作スピーカーでマルチアンプ入門
このサイトは非常に面白いので、Linuxに抵抗が無ければ技術的な解説を読みたい人にはオススメだ。
商品となっているものでは、AudioLenseというソフトがあり、JRiver Media Centerと連携できる。
Juice HiFi
デモ版は生成したフィルタは保存できないが、ツールの雰囲気は分かる。

ただ、このツールは結構高価で、一番安いライセンスでも1590クローネ(ノルウェーの通貨)、現在の為替レートで約2.6万円だ。
ドイツのAudioVeroのAcourateは、同じくJRiverと連携可能でもうちょっと安いが、それでも286ユーロ。
Acourate – AudioVero
また、スウェーデンのDirac Researchという会社がDirac Liveというツールを出している。
Dirac RCS | Dirac Research
これも高価で、487.5ユーロだ。
いずれのツールも、それほど頻繁に使うものではない割には高価で、個人向けというよりオーディオショップが個人に対してサービスを提供するときに使うツールという位置づけではないかと思う。
自分としては、プレイヤーはJRiver Media Centerで行くと決めたので、周波数特性は別ソフトで測定し、パラメトリックイコライザで補正するので十分かなあと思う。
実はJRiver Media Centerには畳込み演算エンジンが組み込まれており、計測ソフトで部屋の周波数特性を計測すれば、それを補正する処理をJRiver Media Center側で行うことができるようだ。
Convolution – JRiverWiki
このあたりは、時間ができたらもう少し調べてみようと思っている。

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