DFAMはmoogのモノラル・アナログシンセ。いつかはmoogのシンセを入手したいと思っていたのだが、moogは昨年買収されたし円安だし、入手難になったら嫌だなと、ほぼ衝動買いに近い感じでポチってしまった。価格は、それでも69,850円+ポイント(5%+その他いろいろ4%相当)だったので昨今ではまあまあ安く入手できたほうかもしれない。
DFAMはmoogのセミモジュラーシンセ・シリーズ3兄弟(Mother-32、DFAM、Subharmonicon)の次男にあたる。DFAMは「Drummer From Another Mother」の略だそうだ。奇天烈な名称だが、パーカッションをターゲットにしていることは分かる。
ちなみに3兄弟の中ではMother-32は比較的穏当な1VCOアナログシンセだが、DFAMとSubharmoniconはなかなかクセがある。3機種ともセミモジュラーなので自由度は非常に高いのではあるが、あえて言えばDFAMがドラム/ベース向き、Subharmoniconが上物/シーケンス向きという感じだろうか。DFAMについてはネット上のレビューを見ると、絶賛する声がある一方で後悔したという意見も散見される。
上はDFAMのブロック図だ。黄色がシグナルパスの主要部分で、2VCO+ノイズ+VCF+VCAという構成になっている。
エンベロープ(紫色の枠)はARタイプが3基。それぞれVCO、VCF、VCAに割り当てられており、パラメータはディケイタイムしかいじれない。
モジュレーションは、VCO間のSYNCとFM変調(ピンクの枠)がかけられる。LFOは無い。
また、8ステップのシンプルなシーケンサ(赤色の枠)があり、VCOのピッチとVCAのベロシティおよびトリガを制御できる。また、このシーケンサーは10,000bpmという、可聴域レベルのスピードで走らせることができる。
こうしてみると、それほど特殊なパーツがあるわけではない。しかし、DFAMのパッチングを活かしてこれらのパーツを使いこなすには、これらのパーツについてきちんと理解している必要がある。そのため、DFAMはある程度シンセサイザを理解している中級者のほうが向いている。このあたりが、絶賛する人もいる一方で使いこなせず後悔している人も多い、という状況になっている原因ではないかと思われる。少なくとも、ドラムマシンやグルーブボックスの代わりというようには思わない方が良いだろう。
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