今年のブラックフライデーには大物は買わなかったのだが、考えてみたら昨年のブラックフライデーではHydraSynth Explorerを買っていた。買っていたのだがレビューは書いていなかったので、遅まきながら書いてみる。
HydraSynthはAshun Sound Machinesという新興メーカーのデジタルシンセ。標準49鍵で同時発音8音のHydraSynth、モジュール型のDesktop、73鍵で同時発音数も倍のDeluxe、それにミニ37鍵のExplorerというラインナップがある。Explorerは最も安価だが、内部のエンジンはHydraSynthやDesktopと同一だそうだ。今回購入したのはこのExplorerで、ミュージックランドKEYで85800円だった。
HydraSynthって特に海外ではかなり人気が高いのだが、国内のレビューがあまりない。だが、以下の2つを見れば、どんなシンセなのかはだいたい解るだろう。


自分がHydraSynthを買ってみようと思ったのは、主に海外のYouTubeなどのレビューの影響が大きい。古今のシンセをいろいろ紹介していたEspen Craftさんは、「もしお薦めはと訊かれたら、HydraSynthと答えている」そうだ。
HydraSynthを褒めている皆さんはどこを気に入っているかというと、
・音作りの自由度
・3OSC、2Filter、5EG、5LFO
・32モジュレーションマトリクス
・多彩なウエーブテーブルと、それをさらに変換するミューテイター
・ユーザインタフェース
・数多くのパラメータを操るためのパネルのインタフェース
・モジュレーションソースとして使えるポリフォニックアフタータッチやリボンセンサ
・高機能なアルペジエイター
といったあたりらしい。自分が一番関心を持ったのもこの部分だ。
HydraSynth Explorerは、エンジンはオリジナルのHydraSynthと同一だ。ユーザインタフェースは多少簡略化されているが、重要な部分は押さえられている。しかも小さくて電池駆動可能(単3×8本)。この凝縮された感じが、グッとくるポイントである。
大きさは、同じ37鍵ミニ鍵盤のMicroKorgとそんなに違わない。ただ、重量はかなりズッシリ来る(3.4Kg)ので、手持ちで気軽に持ち歩ける感じではないし、膝上で使うような位置づけでもない。その代わり、設置した時にそれなりに安定感はある。
音だが、デジタルなのでもちろんクリアだが「高音質」かというと、まあ普通。エフェクタは付いているが、これもまあ普通(はっきり言えば、それほど高音質ではない)。
クリアな音だけでなく、ノイズっぽい音も作れる。作れるというか、エンジンの複雑さゆえか、パラメータ次第でノイズ音になりがち。まあこの辺は、一周まわって個性にもなり得るから論評は難しい。
ファクトリープリセットは、128×5バンクで約600音色。ただし、これは自分に届いた製品のファームウェアはv1.0だったからだ。現在最新のファームウェアはv2.0になっている。というかv2.0は自分が購入するよりも前の昨年春にリリースされていたのだが・・・、自分のところに届いたものは製造がそれより古かったのだろう。v2.0では128×8バンクで1024音色を持つことができる。もちろんファームウェアはPCからアップデート可能だ。
ファクトリープリセットはv1.0とv2.0で異なる。メーカーが出しているHydraSynth Managerでは両方のファクトリープリセットのデータが提供されている。V1.0のファクトリープリセットに入っているデータは
Bank A: Bank A 1.5(legacy)
Bank B: Bank B 1.5(legacy)
Bank C: Bank C 1.5(legacy)
Bank D: Inhalt
Bank E: thesungodRA
となっている。
ぜんぜんレビューまで進んでいないが、いったんここまで。
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