Windows XP MCE

昨日も書いたが、新PCにはWindowsXP Media Center Edition 2005(以下MCE)を入れた。

MCEとは、通常のXPに、リモコンで操作できるAV機能アプリケーション(TV録画、DVD/音楽再生などができる)を追加したものである。

XP HomeでなくMCEを選んだ理由は、

1.今後デュアルコアに拡張することを考えて

2.今後MCEが普及する可能性を考慮して

の二点になる。
ちなみにXP 64bit Editionも考えないではなかったが、現状目に見えるメリットがないこと、ドライバが出揃っていないこと(特にプリンタドライバがないのは痛い)から、見送ることにした。

で、上記1.だが、今後のCPUの主流はデュアルコアだ。
実際、今回の新PCもSocket939プラットホームを選んだ理由のひとつに、いずれデュアルコアにできるかもしれないという期待がある。

XP Homeはデュアルコアに対応していない。
XP Professionalが必要なのだ。

MCEのベースはXP Professionalであり、デュアルコアにも対応する。
そして、XP Professionalよりも安い。

2.については日本の特殊事情がある。
日本ではMCEはほとんど普及していない。
一方、米国ではホームPCはほとんどMCEであるらしい。

米国では、家電メーカーが国内からほとんど消えてしまった。
したがって、日本のようなAVパソコンを作れるメーカーもない。
そのため、AV機能を付けるにはMCEを採用するのが手っ取り早い、という事情があるようだ。

しかし、日本のメーカーにとって、AV機能は他社と差別化するためのポイントだ。
MCEを採用するのであれば、あとはディスプレイ等のハードウェアスペックと、価格での競争になる。
特にAVパソコンとして一定の地位を築いてきたVAIOシリーズなどには、MCEは採用できないだろう。

もちろん、MCEが明らかに優れているなら別だが、そういうわけでもない。
実際、今回MCEのメディアセンターアプリケーションを使ってはみたが、印象に残るような機能があるわけではない。
もちろん、出来が悪いというわけでもないのだが…。

ところが今年、この状況が変わる可能性がある。

ひとつは、1.で述べたようにCPUがデュアル化することだ。
デュアルコア対応のXP Homeが出る可能性もなくはない。
しかしそうならなければ、XP ProかMCEを採用せざるを得ないだろう。

もうひとつは、インテルが計画している「East Forkプログラム」だ。

「セントリーノ」規格のノートPCというのがここ1,2年で定着してきたが、その第二段である。
East Fork規格のPCを販売すると、インテルからメーカーにキャッシュバックがあるという仕組みらしい。

「East Fork PC」にはMCEが必須となるらしい。
デスクトップのEast Fork PCは、インテルのデュアルコアCPUとWindows MCEの組み合わせになる。

メーカーにとっては
・独自AV機能を追及し、East Forkに参加しない
・East Forkに参加して利幅を増やす/価格を下げる
という2つの道がある。

後者を選ぶメーカーが出てくる可能性もある。

そして、もしEast ForkによってMCEが国内に普及するとどうなるか。

MCE向けのオンラインのコンテンツサービスが出てくる可能性がある。

MCEには「オンライン・スポット」と呼ばれる、Microsoftが運営しているポータルがある。
ちょうどiモードに対するiメニューのようなものだ。
そこにサードパーティが提供するサービスやコンテンツが載ってくる。
実際、米国ではさまざまなサービスが提供されているそうだ。

いったんサービスが普及し始めれば、各メーカーが地滑り的にMCEを採用するかもしれない。

というわけで、もしかすると今秋以降くらいからMCEが伸びてくる可能性がある。

今回MCEを入れたのはその先物買いという意味もある。

ま、今は安いXP Proとしてしか使ってないが。

参考:笠原一輝のユビキタス情報局


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