VRChat / STRANGEWAYS


最近、VRChatが一部で人気らしい、ということで、ここしばらく、ちょくちょく覗いている。最初に結論を言うと、仮想世界でのコミュニケーションも悪くは無いが、さまざまなバーチャルワールド「作品」をどんどん探訪できる、というのが自分にとっては魅力だ。

11年ほど前、Oculus Riftで遊んでいた。Oculus RiftはFacebookに買収され、FacebookはMetaに名前を変えた。そして、Oculus Riftの子孫であるHMD、MetaQuestシリーズを販売している。

一部で熱い注目を集めるHMD「Oculus Rift」が到着
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当時いろいろ遊んだけれど、長い間「これは」というアプリケーションは(ゲーム以外には)登場せず、最近はVRにはほとんど関心を失っていた。Facebookに買収された後、VRの知名度は一時的に上がり、デバイスも安くなって敷居は下がったが、広く市民権を得たとは言い難い。未だ、ニッチな市場だ。

自分の根本的な疑問は、「それ、3Dでやる必要ある?」「それ、HMD被ってやる必要ある?」だ。VRChatも含め、今のメタバースには、それは無いと思っている。

ではなぜVRChatが気になったのか? VRChatのコンセプト自体は、もう幾度となく、様々な人たちがチャレンジしてきた「メタバース」と、基本的には同じだ。アバターを身に着け、仮想世界でコミュニケーションする。そして、自分としては、そこにはあまり魅力は感じない。

しかし、VRChatで、いいなと思ったのは、「世界ランチャー」としての機能だ。

VRChatでは、誰もがUnityを使って世界を構築し、それをVRChatのプラットフォームを通じてユーザに提供できる。Oculus Riftの時代は、アプリケーションをダウンロードして起動する必要があった。VRChatでは、ちょうどアプリに対するSaaSのように、世界をサービスとして提供できる。(実際にはダウンロードしているので、データをキャッシュしているローカルのディスクの消費量がものすごいけれど。)

それでたまに面白い作品に出合うことがある。Oculus Riftの頃にも、そういう作品がいくつかあった。

SightLine:Oculus Riftで異世界を探訪する
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というわけで今日紹介する世界は「STRANGEWAYS」。ほぼ、見て楽しむ世界だが、世界観の統一感が半端ない。つげ義春の世界へ入り込んだかのようだ。

シンプルな世界だが、全体としてアーティスティックな意味でバランスが取れている。色、動き、余白。動画というか「世界」としてのデザインが行き届いている。MetaQuestはまだ買っていないが、この世界はHMDで入ってみたいと思った。

世界の内側に入り込んで、見て回るだけで楽しめる仮想世界。これが自分が求めているものだ。現実の空間を模したようなワールドは、VRChatの中にたくさんあるが、正直そういうものはあまり面白くない。リアリティなら普通のゲームの方が遥かに優る。

というわけで「STRAGEWAYS」、十分「鑑賞」に耐えるワールドなので、一度訪問してみてほしい。

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