DFAMには、音色の例として5枚のシートが付属している。
そのうちの1つ、「Kick-Bass&Snare」はこんな音。
ほぼ同じ音色はこちらでも紹介されている。
DFAM | Kick Snare Patch | Moog
DFAMはモノ・シンセなので音色は1つしか作れないが、シーケンサーではキックとスネアという2つの音色を奏でている。
どうなっているのかと調べてみたら、こんな感じになっていた。
・3つあるエンベロープのうち、VCOピッチ制御用EGの出力を、ノイズの音量制御に用いる
→ ノイズの減衰音ができる
・PitchをVCFのカットオフ周波数に用いる
→ 結果、ピッチが低いとノイズの音量が弱められ、VCOの音量が強まる。
・VCOの音高はPitchに比例させる
→ 結果、ピッチが最大だとVCOの音高が非常に高くなり、聴き取りにくくなる
つまり、ピッチを上げるとVCOの音高が高くなって聞こえにくくなり、同時にフィルタのカットオフが開いてノイズ音がカットされにくくなる。
逆にピッチを下げるとVCOの音高が下がって聞こえやすくなり、同時にカットオフが下がるのでノイズ音はフィルタでカットされる。
ブロック図にすると、こんな感じ。(使われていない部分はマスクしてある)
この音色をピッチを最低から最高まで変化させながらトリガしてみると、こんな感じの変化になる。
シーケンサーのPitchパラメータは、パッチングによって音高制御だけでなくあらゆるパラメータに適用できる。モーショントラックが1チャネルだけあるっていう感じ。
DFAM、これまでのところかなり面白い。いじっているとあっという間に時間が経ってしまう。
パルス波はPWM変えられないとか、シーケンサーは8ステップしかないとか、EGはディケイしか変えられないとか、ぱっと見にはそれほど複雑な構造ではない、というよりむしろ制約が多いように見える。
しかし、このシンプルなシーケンサーはシステムの中で大きな役割を果たしているし、エンベロープは3基あるというのが大きい。
DFAMのこのデザインは、さすがシンセサイザーの老舗というしかない。
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