HDの動画が目的なら、いっそビデオカメラを買えばいいのでは、という考えも浮かんだ。
たとえば、今ビクターのEverioシリーズのGZ-HD30が、4万円台前半で買える。
スーパーズームデジカメと同価格帯だ。
スペックも80GB HDD内蔵、MPEG2とAVCHD対応、焦点距離は動画50〜500mm/静止画39.5〜395mmと、なかなかのものだ。
AVCHDにも対応した第3世代“Everio”登場 – ITmedia +D LifeStyle
だが、結論としてはこの案は却下。
動画デジカメと静止画機能つきビデオは似たもの同士にも思えるが、やはり軸足が写真なのかビデオなのかは大きな違いだ。
最近のビデオカメラはテープではなくHDDやメモリカードに記録するものが主流で、重量や大きさは大分デジカメに近づいた。
静止画機能も、ほとんどの機種が持っている。
だからスペック的にはデジカメの代わりになりそうに思えるが、細かいところでビデオカメラはやっぱりビデオカメラだ。
HDで撮影できるビデオカメラは、こちらにまとまっている。
これを見ると、ほとんどの製品が、ズームは10〜12倍であることが分かる。
といっても、だから20倍ズームのデジカメのほうが大きく写せるとは限らない。
ビデオカメラは広角端が普通40mm前後なので、10〜12倍なら望遠端は400〜500mmとなるからだ。
むしろビデオカメラの弱点は広角が撮影できないことだ。
SX1 ISやDMC-HX1が28mmでハイビジョン動画が撮影できるというのは、逆にビデオカメラにはないユニークな特徴だともいえる。
画質も、ビデオカメラの静止画は褒められたものではない。
正直なところ携帯電話のカメラ並である。
スーパーズームデジカメも画質は大して良くはないが、それでもビデオカメラの静止画には勝ると思う。
そこを狙ってか、ビクターは最近、静止画を頑張ったビデオを発表した。
しかし、価格は12万円前後だという。
ビクター、デジカメとHDムービーの機能を併せ持つEverio「GZ-X900」を発表 | 家電 | マイコミジャーナル
その金額を出すなら、パナソニックのGH1が視野に入ってくる。
14-140mm(35mm判換算で28-280mm)の10倍ズームレンズキットがほぼ同価格帯。
正直、いくらGZ-X900が頑張っていても、静止画でGH1には勝てないだろう。
【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】第413回:AVCHDで動画が撮れる一眼、Panasonic「DMC-GH1」 -AV Watch
結局、値段が同等なら軸足は写真かビデオかという話になるのだが、私自身の軸足は写真だ。
ビデオは写真の延長で考えていて、ビデオであっても日常の一コマを切り取るのが目的。
それには、数分程度のビデオで十分だ。YouTubeで公開されているようなビデオがイメージに近い。
さらに言ってしまうと、ビデオカメラにはフラッシュがないから暗所では使えない。
あくまで、動画の撮影がメインで、おまけで静止画も欲しいというときのための静止画機能なのだと思う。
まとめると、ビデオカメラをデジカメの代わりに使うには
・広角がない
・静止画の画質が低い
・機能が不十分
ということになる。
もちろん、スポーツの試合とか講演など、長尺の記録を残す必要がある場合はビデオカメラしかない。
ちなみに、そういうビデオ本来の目的に使うのであれば、SONYの新製品がスゴイらしい。
小寺信良の週刊「Electric Zooma!」
第397回:’09年春頂上決戦!? HDR-XR520V vs HF S10
〜 数年に一度の革命を一気に成し遂げたHDR-XR520V篇 〜
うーん、なぜかビデオカメラの話になってしまった。
というわけで次回に続く…
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